2025-01-01から1年間の記事一覧
「過ぎゆくもの」 行ってしまったんだね、愛しい幸せ、そして辛く愛しい痛みよ。 お前を何と名づけたらいいんだ?災い、人生、至福、 僕自身の一部、僕のこころ、ーーそれが過ぎ去ったものになるのかい? ガチャリと鍵の閉まった扉。 コツコツコツコツーー足…
ものみな静まるとある夜 闇を切り裂く魔物あり Eines Nachts in Allem Stillen Brach das Dunkle durch — der Dämon!
蟷螂の夢や現(うつつ)になりにけり帽子に止まりし迎え火の夜 【この短歌の解説】1.変な夢8/11に見た夢。車が停車し、助手席に乗っていた自分のシートに緑色の蟷螂を見つけた。急いで車から出そうとしたが、中々離れず外へ出たのを見る事を逸した。帰宅して…
Mitten in dem kleinen TeicheSteht ein Pavillon aus grünemUnd aus weißem Porzellan.小さな池の真ん中に緑と白の瀬戸ものの四阿一つ、ここにあり。 Wie der Rücken eines TigersWölbt die Brücke sich aus JadeZu dem Pavillon hinüber.虎の背に似た翡翠…
キミの指が麗艶に魅せる その緑玉のこと語らふか? 多くは言葉が要るものだが, しばし黙すが良い時もある。 かう言ふことだ,石の色は 緑碧で眼(まなこ)を素早く回復させる! でも黙するのだ,苦しみと痛みが 同時に伴うことを。 ところで,キミはなぜか知…
青い瞳で ニッコリとボクを見つめる キミがいる気持ちが高まり 夢見ると何も言えない ボクがいる 青い瞳の キミのことでボクは頭が いっぱいだ青い想いが 海になりボクの心は 溢れんばかり Heinrich Heine "Neue Gedichte" からの短いがとても愛らしく艶かし…
Ones I wroot,I ne have never forgat thee al my lyf.Therfore, I feste thy birtheday.I wolde that thou wert in pees of soule. 嘗て記しき、汝(なれ)を生涯忘れまじと。故に汝が誕辰(たんしん)を寿(ことほ)がん。汝、心安(うらやす)なれと祈らん。 チョ…
O weh! Welch eine Sorge In Grabes dunkle Weite Furcht vor Jenseitsleben Schenkt mir doch kein Sterbenドイツ語詩です。口語に訳してみるとこんな感じです。嗚呼,なんという憂鬱だ墓の暗い闇の向こうに行っても彼岸の世界を恐ろしく思うあまり私に死す…
幾筋もの糸の陽光は灰のように黒い荒涼に注がれている。木のごとく聳え立つひとつの思いが光の音を手に収める:それは人々のあちらで今も吟じられるその詩だ これは Paul Celan (1920-1970) の晩年の詩集 "Fadensonnen" からの詩。今日Berliner Philharmonike…
Wenn man gut auch oder böse,Bleibt es sicher unveränd’rlich,Dass wir immer Glück nachjagen.Das muss wahrlich ἀληθής sein. Trochäusでつくったこのドイツ語詩ですが,こんな意味の日本語を考えて独作しました。 真理善人だろうが悪人だろうがコレだ…