Zur heil’gen Nacht erinnr’ ich mich
ja meines schönen G’dächtnisses,
Unendlich ewig soll es bleiben,
Niemand mit der Hand anzurühren.

追憶歌
浄けき夜に我心抱く
嗚呼,麗しの来し方を
果てなき永遠(とわ)にありありて
何人も触れるを拒まれり。
【解題】
聖夜の厳粛で温かい雰囲気を受けて,過去を精算すべくある思い出に浸る。それは決して快活で愉快なものばかりではないかもしれない。時には苦しみ,悩み,憤る心持ちを表明していたかもしれない。しかし今となってはすべてが美しい思い出に変わってゆく。その美しい思い出がそのまま永遠に活き続けてほしいと願う自分にとって,誰一人手を触れてほしくない,言及してほしくない過去の存在であってくれと願うしかない。そんなロマンティックな気持ちを詩に託してみました。